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ヘアサイクル
毛髪の成長には周期があり、成長、脱毛を繰り返しています。これをヘアサイクルとよんでいます。ヘアサイクルは成長期、退行期、休止期の3つに分けられます。
退行期（2週間）：成長期が終わる頃になると、毛の本体である毛母細胞の働きが低下し、休止期に入る準備を始めます。
休止期、退行期（3～4ヶ月）：毛の成長が止まると、すぐに抜け落ちるのではなく、しばらく毛包にとどまり、やがて引っ張られるなどの物理的な要因をきっかけに抜け落ちていきます。
男性型脱毛症は成長期が短いのが特徴です。
強力な男性ホルモンが毛の成長期を短縮させる
薄毛の原因はジヒドロテストステロン（DHT）という強力な男性ホルモン。
DHTは、成長期、退行期、脱毛期（休止期）というヘアサイクルの内、成長期だけを極端に短くするホルモンです。DHTが必要以上に産生されると、通常4～6年ある毛髪の成長期が数ヶ月～1年に短縮されます。
男性型脱毛症のヘアサイクルは成長期が短くなっています。ジヒドロテストステロンの生成を抑えることで、薄毛を改善できます。
ザガーロ（デュタステリド）
もともとは前立腺肥大の治療薬だった
男性は年を重ねると前立腺が大きくなります。50歳代以降の男性には珍しくない良性の疾患ですが、頻尿や、尿の出方が悪くなる、切れが悪くなるなど、困ることがあります。
ザガーロの成分デュタステリドは前立腺肥大の治療薬として2009年に厚労省の承認を得ており、アボルブという薬品名で国内で使用されていました。2015年9月に新たにAGA治療薬としての承認が下りました。
作用機序
ジヒドロテストステロン（DHT）の生成には5α還元酵素（Ⅰ型、Ⅱ型）が関与しています。
従来の治療薬プロペシアは「Ⅱ型」の5α還元酵素を阻害し脱毛・薄毛を抑制していました。
しかし、新薬ザガーロは「Ⅰ型」及び「Ⅱ型」の5α還元酵素を阻害することができます。また、ザガーロはジヒドロテストステロン（DHT）レセプター（受容体）への親和性がプロペシアより高いため強い脱毛抑制、発毛効果が期待できます。
| プロペシア | ザガーロ | |
| DHTの5α還元酵素を阻害 | Ⅱ型のみ | Ⅰ型とⅡ型 |
| 受容体への親和性 | 普通 | プロペシアより高い |
ザガーロの適応
（1） 男性における男性型脱毛症のみ。
（2） 20歳未満での安全性及び有効性は確立されていない。
（3） 女性に対する適応はない。
内服方法
1日1回内服。できれば毎日同じ時間が好ましいです。
明らかな効果が出るのは6ヶ月
ザガーロの効果が確認できるまで早い方で3～4ヶ月。6ヶ月で効果が出てきます。
これはプロペシアと一緒です。
ザガーロの副作用
<重大な副作用>肝機能障害
<その他の副作用>
頻度不明：アレルギー反応、めまい、味覚異常、精巣痛、精巣浮腫、腹痛、下痢
1％以上：リビドー減退（ムラムラしない）、勃起不全、射精障害
1％未満：女性化乳房、乳房不快感、頭痛、抑うつ
前立腺がんの検査、献血をするときは注意
前立腺がんの指標を減少させる
ザガーロは前立腺がんの指標値（PSA値）を減少させます。
服用後6ヶ月後にはPSA値を50％前後に下げるため、服用後6ヶ月後に検査をした場合は、PSA値を2倍にして基準値と比較しなければなりません。PSA値はザガーロ服用中止してから、6ヶ月以内に元の値に戻ります。
献血はしてはいけない
服用中は献血してはいけません。
服用中止後も身体の中に残りやすいので、6ヶ月は献血してはいけません。
保険適応ではありません！
プロペシアと一緒です。AGA治療専門のクリニックや、皮膚科で処方されますが、保険適応ではありません。全額自己負担になります。
プロペシアがの効果がいまいち、最初からザガーロでも
プロペシアの効果があまりない方はザガーロに切り替えても良いかもしれません。主治医に相談しましょう。
臨床試験においてはザガーロはプロペシアの約1.6倍の発毛効果があると言われています。最初からザガーロを使用するのも良いと思います。AGAに悩んでいる方は医療機関で相談しましょう。
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