薬が内服できない方へのアプローチって悩みますよね。
正確に内服できない理由は
➀何の薬か分からない
➁内服しても変わらないと思っている
➂副作用がこわい
➃薬の種類が多すぎる
➄飲み忘れる
などなど、たくさんあると思います。
在宅での内服管理についてお話ししようと思います。
Contents
在宅での内服管理
➀何の薬か分からない ➁内服しても変わらないと思っている
こちらに関しては医師・薬剤師・看護師からの分かりやすい説明が必要です。
薬を処方された方は受け身になりがちのため、よく分からないまま受け取ることも多くあります。
何の薬か、何のために飲むのか、まずは理解ができるよう介入することです。
➂副作用がこわい
ここは利用者さんのお話をじっくり聞きましょう。今までの副作用の経験や、TVやネットから得た情報など、理由はさまざまです。作用・副作用のバランスを考えて処方されていますが、場合によっては医師との相談が必要です。
➃薬の種類が多すぎる
➃に関して、ポリファーマシーというのを聞いたことがありますでしょうか。
ポリファーマシー
「ポリファーマシー」は「poly」+「pharmacy」直訳すると多くの薬となりますが、「多くの薬を服用することにより副作用などの有害事象を起こすこと」という意味で使われています。ポリファーマシーが多剤併用ということではなく、多剤併用が悪いことでもありません。
(※薬物との因果関係がはっきりしないものを含め、薬物を投与された患者に生じたあらゆる好ましくない、あるいは意図しない微候、症状、または病気のこと:公益社団法人日本薬学会「薬学用語解説」より)
多剤併用により、診療科が異なる場合などの複数の処方、アドヒアランスの低下などのさまざまな要因により、予測不可能な有害事象が起こる可能性が高くなります。
ポリファーマシー対策
・なるべく受診する医療機関はひとつにする
様々な病院やクリニックを受診すると重複処方のリスクが高まります。
・薬の量、回数を減らしてもらう
受診のときに相談しましょう。身体の状態によっては薬を減らせるかもしれません。薬の種類によっては1日1回に変えられるかもしれません。
・薬を一包化(分包)にしてもらう
受診のときにお願いしましょう。薬の量が多いと、シートではなく朝・昼・夕・眠前と一つの袋に錠剤がまとめてあるほうが、管理しやすいです。
・お薬手帳を持参する
病院やクリニック、薬局、在宅サービス、本人、家族でどんな薬を内服しているか共有できます。
➄飲み忘れる
ここは管理方法を一緒に考えないといけません。
便利なものに頼る!薬カレンダーや薬ボックスを使いましょう!
薬カレンダー
利点:目につきやすい。曜日、朝昼晩とポケットが区切られている。
欠点:壁など使用するところに針による傷、テープ固定による汚れがつく。
ものによっては朝昼夕(ポケット3つ)、朝昼夕眠前(ポケット4つ)とポケットの数が違います。利用者さんの内服の種類によって合わせましょう。曜日がカードで入れ替えられるタイプ、曜日が印刷されていて固定されているタイプがあります。オススメは曜日がカードで入れ替えられるタイプ。訪問曜日が一番上に来るようにセットしています。(印刷されているのものでも上からビニールテープを貼り上書きすることもできます。)
薬ボックス
利点:収納できる。内服するときにボックスを取り出せばよい。曜日、朝昼晩と仕切られている。
欠点:ボックスを同じ場所に置けない、どこかに片付けた後に見つけられない、ボックス自体を管理できない方には不向き。
カレンダーと一緒でものによっては朝昼夕(3つ)、朝昼夕眠前(4つ)と仕切りの数が違います。曜日は固定タイプが多いです。
マンパワーに頼る
家族、ヘルパーさん、デイサービスといった人の協力を得る!
同居家族がいる場合は内服するよう声をかけてもらう。管理をしてもらう。管理をしてもらう場合は本人・家族の負担にならないか注意が必要です。
ヘルパーさんが入っている場合は訪問時に内服するよう声をかけてもらう、食事と一緒に準備してもらうといった協力を得られるようお願いしてみましょう。
デイサービスに通われている場合は、デイサービスで内服介助ができないか、ケアマネジャーに相談しましょう。デイサービスで内服介助ができるなら、デイサービスで飲むお薬を連絡ノートに準備します。
まとめ
いかがだったでしょうか?
薬が内服できない理由についてお話ししました。
➀何の薬か分からない
➁内服しても変わらないと思っている
➂副作用がこわい
➃薬の種類が多すぎる
➄飲み忘れる
看護師は「内服が正しくできれば良くなる」「看護師で内服を管理する」ことに思いがいきがちで「➄の飲み忘れる」ばかりに着目することもあるかもしれません。
①~➃が原因で薬が飲めないこともあります。
利用者さんがなぜ薬を飲めないのか、要因をアセスメントすると、意外と内服できることもあります。
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