看護学生、病棟勤務時代

親しい人が不穏・せん妄になったら

医療職種は「不穏」や「せん妄」って聞きなれたことば。実際「不穏」や「せん妄」になった患者さんをみてきた医療者は多くいると思います。

しかし患者さんが「不穏」や「せん妄」になるのと、家族が「不穏」や「せん妄」になるのは違います。私自身家族の「不穏」や「せん妄」をみてショックをうけました…。

また、医療者じゃない方が、家族や友人の「不穏」や「せん妄」に遭遇したら…いつもの家族、友人じゃない!おかしい!暴れている!!かなり衝撃を受けると思います。

 

不穏とは

行動が過剰で落ち着きがないこと

「不穏」とは、文字通り「穏やかでないこと」を意味します。状況が不安定で危機や危険をはらんでいる、というニュアンスもあります。

医療場面でも「不穏」という言葉はもちろん「穏やかでない」という意味で使われますが、「過剰な動き」「行動の増加した状態」などとされ、落ち着きがなくなったり、叫んで暴れたりする状態のことを言います。また、「治療を拒否したり、ラインを抜いたりする」といった行動も不穏患者さんに見られることがあります。

 

身体的苦痛やせん妄、不安が不穏を引き起こす

不穏はさまざまな原因により現れます。痛みが強い、息が苦しいなど強い身体的苦痛があると不穏になることはあります。また、強度の不安などによって不穏が生じることもあります。

せん妄とは

不穏と似た言葉に「せん妄」があります。

せん妄は意識障害の一種

せん妄は患者さんに認められる「ある種の意識・認知機能障害を呈する状態」につけられた名称(診断名)で、結果的に不穏を呈することが多いです。

せん妄の症状としては、見当識、記憶、注意力に障害があったり、時間によって覚醒度にムラがあることが挙げられます。

見当識障害とは、時間、場所、誰が誰か分からない。というものです。

 

不穏とせん妄の違い

不穏は「行動に着目」しており、せん妄は「意識に着目」している点が異なります。不穏とせん妄は両方とも現れる場合と、どちらかが単独で現れる場合とがあります

引用:そもそも不穏って何?/不穏のメカニズム、せん妄との違い/看護roo!

 

病棟でのエピソード

不穏・せん妄になった患者さん。暴れたり、叫んだり、点滴の管を抜いたり…。ちょうどその時に家族が面会に来ました。家族はその患者さんの様子をみて

「ショック」

「怖い」

主治医から家族へ、なぜ患者さんがその状態なのか説明されました。そして安全に治療が受けられるように、患者さんが苦しまないように、興奮を落ち着かせるお薬を使用して良いか家族に聞きました。家族は使ってほしいと言われました。

しかし、患者さんのそのような姿がショックだったのは心にのこり、それ以降なかなか面会に来られませんでした。

病気の治療を行い、患者さんの苦痛を取り除けるようになったら、不穏・せん妄は徐々になくなっていきました。家族も面会に来れるようになりました。

そのときに家族が話されたのは、

「あの姿は自分の知っている家族じゃなかった」「面会に行かないとと思ったけど、怖かった」「面会に行けない自分を責めていた」

「ショック」「こわさ」「後ろめたさ」を感じていました。

 

そう思うのは仕方がない

今までの知っている家族、友人とは違う。

入院という環境や、病気や、病気による苦痛がそのような「不穏」や「せん妄」にさせています。「ショック」や「こわさ」を感じるのは自然なことです。そして責める必要はありません。

 

私の父のエピソード

私の父が50代のときに病気になりました。治療して退院したのですが、その後発熱して再入院。抗生剤の治療をしていたのですが…面会に行ったときに点滴架台を持ち上げていました…!!

衝撃です。意味が分かりません。なんか様子がおかしい。こわい。

ナースコールを押して、看護師さんに対応していただきました。

説明と抑制同意書

それから今の状態の説明を受けました。安全に治療が受けられるよう、センサーを使用しても良いかと聞かれ、もちろんオッケー。「抑制同意書」にサインをしました。

センサーにもいろいろな種類があります。父が使用されたのは、パジャマの襟に洗濯バサミのようなセンサーをつけられました。父が動いたら洗濯バサミがはずれ、センサーが反応しナースコールが連動してなります。

私が産まれたときから父は父。しっかりした心強い父をみてきたので、不穏になっている患者の父をみたときはショックで悲しかったです。

 

フォローできるのは医療者

顔見知りの看護師さんに

「いっつものお父さんじゃなくてびっくりしたよ~!今は熱があって辛くてあんな風になっちゃってるだけで、大丈夫!治療すれば良くなるから!」

って声をかけてもらえました。嬉しかった。(私は父の病院では看護師とは伏せています)

不穏ってわかっててもやっぱり不安。看護師さんの言葉に救われました。

 

医療者、家族の立場から感じたこと

入院される患者さんは、様々な病気を抱えて入院しています。家族はそれだけでも不安があるのに、「不穏」や「せん妄」はさらに不安を増強させます。

家族への説明はもちろんですが「気にかける」「声をかける」って大きなちからがあります。家族は安心しますし、家族の反応もおかしいことじゃないんだって気づけます。

病院にもよるかもしれませんが、入院は一時的なもの。

退院後は患者さんや家族が、疾患との付き合い方を考えていかなければなりません。不穏やせん妄に限らず、入院中の出来事で退院後の関係が悪くなるのは悲しいです。

患者さんと家族の関係を良く保つことができるようにするのも医療者の大切な役割です。

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はるか
三次救急病院の病棟7年勤務、現役訪問看護師。看護学生を乗り越え、三次救急の病棟に就職。業務に追われてあっという間に7年経過。新たなステップアップのため訪問看護へ転職。はじめは戸惑いが多かったけど、楽しい日々をおくる。生と死に向き合ってきた今までを振り返り、 限りある命、人生、時間をどこに投資するか考えさせられる。「人生とは投資であり、投資とは人生である。」訪問のお仕事、看護について、健康など日々学んだことや投資を記事にしています。